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住宅取得等資金の非課税の特例
監 修 : 税理士 梅 山 新 平
1.非課税となる金額
直系尊属から住宅取得等の資金の贈与を受けた場合の非課税制度(非課税の特例) の適用を受けて非課税となる金額
平成21年分の贈与 最高500万円まで
平成22年分の贈与 最高1500万円※1まで
平成23年分の贈与 最高1000万円※2まで
(受けた贈与の合計額から、贈与を受けた者ごとに上記の金額が非課税になります。)
※1
ⅰ.平成21年分で非課税の特例の適用を受けている場合
→ 1500万円 - 平成21年分の非課税額 = 平成22年分の非課税額
ただし、合計所得金額※が2000万円を超える場合
500万円 - 平成21年分の非課税額 = 平成22年分の非課税額
ⅱ.平成21年分で非課税の特例の適用を受けていない場合
→ 平成22年分の非課税額 1500万円
ただし、合計所得金額※が2000万円を超える場合
平成22年分の非課税額 500万円
※2
ⅰ.平成21年分で非課税の特例の適用を受けている場合
→ 平成23年分の非課税額 なし
ⅱ.平成22年分で非課税の特例の適用を受けている場合
→ 1500万円 - 平成22年分の非課税額 = 平成23年分の非課税額
ただし、平成22年の合計所得金額※が2000万円を超える場合に非課税の特例(500万円)の適用を受けているとき
平成23年分の非課税額 なし
ⅲ.平成22年分で非課税の特例の適用を受けていない場合
→ 平成23年分の非課税額 1000万円
ただし、合計所得金額※が2000万円を超える場合
平成23年分の非課税額 なし
※ 合計所得金額とは、純損失、雑損失、居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失及び特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除を適用する前の総所得金額、特別控除前の分離課税の長(短)譲渡所得の金額、株式等に係る譲渡所得等の金額、先物取引に係る雑所得等の金額、山林所得の金額、退職所得金額の合計額です。
→ 参考サイト(国税庁):№1170 寡婦控除<寡婦の要件>中の(注)書き
2.非課税の特例の適用
非課税の特例の適用を受けられるのは下記の(1)から(5)に該当する贈与の場合です。
さらに、贈与を受けた者について、満たしていなければならない要件があります。
(1) 平成21年1月1日から平成23年12月31日までの間の贈与
(2) 父母や祖父母などの直系尊属からの贈与
(3) 住宅取得等の資金の贈与
住宅取得等の資金とは、贈与を受けた者が、下記の対価にあてるための金銭のことです。
① 自己の居住用の一定の家屋※1の新築
② 自己の居住用の一定の家屋※1の取得
③ 自己の居住している一定の家屋※1の一定の増改築等※2
④ 上記①から③のいずれかとともにする、その家屋の敷地の土地や借地権等の取得
※ 居住用の家屋そのものの贈与を受けた場合、“金銭”の贈与ではありませんので、非課税の特例の適用を受けることはできません。
※ 自己の居住している一定の家屋の住宅ローンを支払うための金銭を受けた場合も、“対価”にあてるためとはいえませんので、非課税の特例の適用を受けることはできません。
※1 一定の家屋とは、日本国内にある一定の要件を満たした家屋のことです。 くわしくは下記の国税庁のホームページか、もよりの税務署でご確認ください。
※2 一定の増改築等とは、贈与を受けた者が日本国内に所有し、かつ、自己の居住の用に供している家屋について行われる増築、改築、大規模の修繕、大規模の模様替えその他の工事のうち一定のもので一定の要件を満たすものです。くわしくは下記の国税庁のホームページ又はもよりの税務署でご確認ください。
→ 参考サイト(国税庁):4 一定の家屋及び増改築等の要件
ただし、住宅取得等の資金の贈与を受けた者が、その一定の親族※など特別な関係にある者との間で、新築や増改築等の請負契約等をしたり、家屋等の取得の売買契約をして、その対価としてこの住宅取得等の資金をあてた場合は、非課税の特例を受けることができません。
※ 一定の親族とは、次の者です。
(ア) 贈与を受けた者の配偶者及び直系血族
(イ) 贈与を受けた者の親族((ア) 以外の者)で生計を一つにしている者
(ウ) 贈与を受けた者と内縁関係にある者及びその者の親族でその者と生計を一つにしている者
(エ) 上記(ア)から(ウ)以外の者で贈与を受けた者から受ける金銭等によって生活を維持している者及びその者の親族でその者と生計を一つにしている者
(4) 贈与を受けた者が、贈与を受けた年の翌年3月15日までに,その住宅取得等の資金を、
a.自己の居住用の一定の家屋の新築のための対価にあてて新築をした
又は
b.自己の居住用の一定の家屋の取得のための対価にあてて取得をした
又は
c.自己の居住している一定の家屋の一定の増改築等の対価にあてて増改築等をした
又は
d.上記aからcのいずれかとともにする、その家屋の敷地の土地や借地権等の取得のための対価にあてて取得をした
(5) 贈与を受けた者が、
a.贈与を受けた年の翌年3月15日までに(4)のいずれかの家屋に居住したとき
又は
b.贈与を受けた年の翌年3月15日以後遅滞なく(4)のいずれかの家屋に居住することが確実であると見込まれるとき
3.非課税の特例の要件
贈与を受けた者について以下のいずれの要件も満たしている場合に非課税の特例を受けることができます。
(1) 次のいずれかに該当する者
① 贈与を受けた時に日本国内に住所を有する者
② 贈与を受けた時に日本国内に住所を有しないが、
a.日本国籍を有し、かつ、
b.贈与を受けた者又は贈与をした者が贈与の前、5年以内に日本国内に住所を有していたことがある場合
(2) 贈与を受けた時に贈与をした者の直系卑属(贈与をした者の子や孫やひ孫など)であること(直系尊属からの贈与であること)
したがって、夫が妻の親から、贈与を受けた場合、妻の親は、夫からみて直系尊属にあたりませんので、非課税の特例の適用を受けることはできません。
(3) 贈与を受けた年の1月1日に20歳以上であること
(4) 贈与を受けた年の合計所得金額が2000万円以下※であること
※ ただし、合計所得金額が2000万円を超える場合、次の扱いになります。
平成21年分の贈与 非課税金額は500万円が上限となる
平成22年分の贈与 非課税金額は500万円が上限となる
平成23年分の贈与 非課税の特例を受けることができない
4.贈与税の申告書の提出
必要な書類を添付して、申告書を提出します。
贈与を受けた住宅取得等の資金の金額が、非課税の特例の適用を受けて非課税となる金額以下の場合(贈与を受けた住宅取得等の資金の金額の全額が非課税の場合)でも申告書の提出は必要です。
5.贈与をした者が死亡し、その相続が発生した場合
非課税の特例の適用を受けた金額は、その後に発生した相続の相続税課税財産に含める必要はありません。
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